破産の廃止のあと:官報から登記の閉鎖まで
法人の破産手続が、開始のあと、財産が手続の費用に足りないために終わることを「廃止」(異時廃止)といいます(破産法217条1項)。廃止の決定が官報に載ってから、その法人の登記の記録が閉鎖され、国税庁の法人番号公表サイトに反映されるまでの流れを、1つの表にまとめました。
流れと日付の例
| 段階 | 例の日付 | 中身と根拠 |
|---|---|---|
| 官報に載る | 10月26日 | 裁判所が廃止の決定の主文と理由の要旨を公告する(破産法217条4項・10条1項) |
| 公告の効力が生じる | 10月27日 | 掲載の日の翌日(破産法10条2項) |
| 即時抗告の期間の終わり | 11月9日 | 公告の効力が生じた日から数えて2週間(破産法9条・217条6項) |
| 廃止の決定の確定 | 11月10日 | 即時抗告がなければ、期間の終わりの次の日。確定して効力を生じる(破産法217条8項) |
| 登記の記録の閉鎖 | 確定のあと | 裁判所書記官が登記所に廃止の登記を嘱託し(破産法257条7項・1項)、登記官が登記の記録を閉鎖する(商業登記規則117条3項2号) |
| 国税庁の法人番号公表サイトに反映 | 閉鎖のあと | 閉鎖したことが、法人番号の公表の情報に反映される |
例は、10月26日(月曜日)に官報に載り、即時抗告(不服の申し立て)がなかった場合です。期間の終わりの日が、土曜日・日曜日・祝日・12月29日〜1月3日に当たるときは、その次の日までになります(破産法13条で準用する民事訴訟法95条3項)。
2週間で決まるのは、廃止の決定の確定までです。 登記の記録の閉鎖は、確定のあと、裁判所書記官の嘱託と登記所の手続を経てからです。官報に載ってから2週間で閉鎖されるわけではありません。即時抗告があったときは、その結論が出るまで確定しません。
日数(Closebook の集計)
- 廃止の公告(官報の発行日)から登記の記録の閉鎖まで:集計中です(今の範囲では数えきれないため、まだ出していません。出せるようになったら、毎月の更新で載せます)
- 登記の記録の閉鎖から、国税庁の法人番号公表サイトへの反映まで:中央値 7日(幅 3〜13日・375件。集計日 2026年11月2日)
- 参考:終結の決定から登記の記録の閉鎖まで:中央値 4日(幅 3〜5日・303件。集計日 2026年11月2日)
閉鎖の日と反映の日は、国税庁の法人番号のデータ(閉鎖の年月日と更新の年月日)によります。暦日(土日・祝日を含む)で数えています。
ほかの終わり方
- 同時廃止(破産手続の開始の決定と同時の廃止。破産法216条1項):この決定にも即時抗告ができます(破産法216条4項)。廃止の登記をしたときに登記の記録が閉鎖されるのは同じです(商業登記規則117条3項2号)。
- 終結(配当などが終わって手続を終えるもの。廃止ではありません。破産法220条1項):破産法には、終結の決定に対する即時抗告の定めがなく(破産法9条)、確定を待ちません。決定があると、裁判所書記官が終結の登記を嘱託し(破産法257条7項)、登記の記録が閉鎖されます(商業登記規則117条3項1号)。
読む人ごとの案内
- 取引先・債権者の方へ:確定と閉鎖の時期、配当がないまま終わるということ、経理の処理の調べ方
- 取引の前に調べる方へ:官報・登記・法人番号公表サイトのどこで、いつ分かるか
- 元従業員の方へ:未払の給料の立替払と、そのほかの手続の窓口
- 会社が閉じたあとの商標とドメイン:一般的な仕組み
- 破産した会社の代表者・個人の方へ:法人の手続と個人の破産の違い、相談の窓口
登記の記録の閉鎖は、会社の場合(商業登記規則)で書いています。条文は e-Gov 法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/)で、2026年11月2日に確かめました。
この案内は、法令と公的な機関の案内から一般的な流れをまとめたものです。法律・税務の助言ではありません。個別のことは弁護士・税理士などにご相談ください。
日数は「官報に載るまでの流れと日数」の集計によります。出典:官報発行サイト(https://www.kanpo.go.jp/)の公告をもとに、運営者が日数を集計して作成(公共データ利用規約 第1.0版(PDL1.0))。この集計は、国・内閣府・国立印刷局が作ったものではありません。登記の閉鎖の日と国税庁の公表サイトへの反映の日は、国税庁法人番号公表サイト(国税庁)(https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/)を加工して作成。